あなたとの記憶

授業も終わり放課後。

私は、帰ろうとした。

『かーおーるー!今日、バスケ部来ない?てか、来てほしいんだ!』    

『えっ、なんで?』

『まぁー、いいからー!』

また、無理矢理連れて行かれた。

でも、嫌ではなかった。

『あっ、委員長じゃん!』

『どーも…。』

『俺らこれから練習だから薫!見てて!』

『うっ、うん!』

西井君は、ニコッと笑って練習を始めた。

その姿はかっこ良かった。

普段の西井君とは思えないほど。









練習が終わり帰る準備をした。

『薫!一緒に帰ろー!家近いし。』

『うん!そうだね!』

私と西井君は下駄箱へ行き帰った。

『薫、なかなか俺のこと龍斗って呼ばないな!』

『あっ、ごめんね!恥ずかしくて…。』

『ぷっ、全然気にしなくていいんだよ?俺だって、薫って呼んでるんだしさっ!』

私は、下を向き恥ずかしさを隠した。

薫って呼ばれる度に私はドキッとしてしまう。

『んじゃあ、呼んでみて?龍斗って。』

『えっ…。』

私は、ゆっくり言ってみた。

『りゅっ、りゅ、う、と…。』

あぁー、噛んじゃった…!

『ははっ、やっと言ってくれた!今度からちゃんと呼んでね?』

『うっ、うん…。』

それから私は、ずっと下を向いて歩いた。

『じゃあ、俺あっちだから!じゃあな、薫!』

『うん!じゃあね、龍斗…。』

また、龍斗はニコッと笑って帰った。

私は、ドキドキしながら帰った。