街に待った土曜日。


待ちすぎて授業や家の手伝いが疎かになってしまった。

…族の方はもうほったらかしだったり。



そして、ワクワクし過ぎて前夜に寝付けなかったのは毎度の事。




全く…朔月君は俺を可笑しくしてしまうね。



「それ、お前が女々しいだけだから」

「……はい?」


玄関で靴を履く俺に声をかけたこの兄の言ってる事が分からないなぁ。


「…いや……」

「なんでもないなら良いんだ。それより、俺、おかしくない?」



立ち上がり兄の前で手を軽く広げ、全身を見せる。

今日のために考えたコーディネートにおかしな所があるとは思わないけど、念のため。



「…良いんじゃね?お前のお腹の黒さを直せばな」

「あれ?そー言えば父さんの万年筆何処行ったかな?父さんに報告した方が…」

「おぉい!!悪かった!完璧だから!お前完璧!カッコいい!フゥ〜〜!!」

「どうも」



ニッコリ笑って、俺は玄関を開けた。

完璧なら、大丈夫だな。



因みに、兄は父さんの大事な万年筆を勝手に借りて壊したんだ。

内緒だよ?

言ったら兄が怒られちゃうから…ね?




「いってきます」

「……いってらっしゃい」



さて、朔月君に会いに行きますか!