「おい慎二、水族館のチケッ…」

「いるいる頂戴!」

「……おう」



最近の俺はついてる。

だって、兄が水族館のチケットを二枚くれた。








〜慎二 side〜



二枚のチケットをポケットに毎度の事、朔月君を呼び出す。


『…今日は何?』


チケットを出し、見せながら俺はニッコリ笑う。




「水族館、行かない?」

『…どこから持ってくるんだ……?』



半分呆れたような顔の朔月君をジッと見つめると、ハァと溜め息をつかれた。


やっぱ、急がしいから駄目かな?でも行きたいな?良いかな?


『……来週の土曜…なら』

「やった!絶対だよ?」

『あぁ…(そんな目で見られて断れるかよ…)』



嬉しくて朔月君の手を握り振ると苦笑いが返ってきた。


けど、良いんだ。


また、デート出来るなんて嬉しすぎるから。




『デートじゃな…』

「デートだよ♪」

『………』



笑い返すと黙る朔月君。


『…黒い笑いになってんぞ。脅すな、アホ慎二』

「ん?脅してないよ?」



酷いな、朔月君は。

ま、今の俺は何言われても怒れないけどね♪

最高に気分が良い。



集合時間を決めて、家に帰った。


足が浮き立つのは仕方ないよね?


さーて、何着ていこうかな。