「今度…やる」

『は…?』

「俺もあげるよ」

『……え?え、何で?』



少し慌てて俺と慎二の顔を見比べる朔月。

被せられてムカついた、が。
こっちを少しでも…見てくれた……。


「朔月君の喜ぶ顔が見たいから」


………。

俺も同感だが…

クソッ!口が上手く動かねー事にこんな苛立つとわな…。



『……。その言葉だけで、嬉しい。ありがとな!』

「「…////」」



不意に眩しい笑顔を見せられ頬が熱くなる。

朔月は心臓に悪い。



「…んー、でも、見たいからあげちゃうんだよね」

『じゃあ、さ。二人の好きなもんも教えて。オレもあげるから』

「…いい」

「いらないよ」

『何で!?』



俺は、何かが欲しくてやる訳じゃない。

いや、朔月が喜んで欲しいってのはあるけど。
ついでに笑顔が見たい……って、欲しくてあげてんじゃねーか。



……それに


「……朔月にはいつももらっている」


嫌がりながらも助けてくれる朔月。
嫌がる事で、相手に遠慮させない空気も作ってんだ。

俺も助けてもらってばっかで。
滋の事もあるが、他にも相談したら一緒に考えてくれた。



『オレ何かあげたっけ?』

「…お前の、優しさを」

『!?』



つい緩んだ頬で朔月を見つめる。

ボッと顔が赤くなる朔月が可愛い。