〜翔 side〜



アイツ等(光樹&尚輝&泪)が補習で居残り。

それを屋上で待つことになった。



『課題くらい出せよなー』

呆れたように呟いた朔月はフェンスにもたれかかる。

慎二がその姿を可笑しそうに見ている。


「そうだね」

『……てか、慎二が手伝ってあげれば良かったんじゃ?』

「それは光樹達のためにならないかなって」

『へー』



笑う慎二は少し意地悪い顔をしてる。

俺は知ってんだ。


課題をやらないと補習になるって事を慎二が知っててほっといた事を。

つまり、


「……朔月君と二人きりになりたかったんだけどね。翔は真面目だから」

『……ん?』


小声で呟き俺を見るコイツはやっぱり腹黒だな。

誰が二人っきりになんかさせるかよ。



朔月は聞こえなかったようで首を横に傾けた。


「…なんでもないよ」

『?』



……まあ、俺は面倒と言う理由だけでアイツ等を手伝わなかったからあんま責めれねーけど。

アイツ等が補習って聞いて朔月と居れる、と喜んだのも、事実だしな。



俺と慎二で朔月を挟むように座る。

フェンスに背中を預け、横から伝わる温もりに少し心臓を鳴らしていると、



「…朔月君はさ、好きなものって何?」


と、慎二が唐突に喋り出した。