有り得ない。有り得ない。


どうしてオレがこんな格好をしないといけないのか…。







――――――…………

時を遡ること、ある日の放課後。




『羊フェア??』

尚「そう!ショッピングモールあんじゃん?駅前の!あそこで羊フェアやってんの!」

哲「で?そのフェアが何?」

尚「そのフェアさ、執事の格好してきた人に食べ放題チケット無料でくれんだって!!」

慎「なんだ。そんなこと…」

尚「そんなこと!?無料だぞぅ!?」

慎「俺別にお金に困ってないからね」

光「ああ、俺も。つか尚輝うるせえ」

尚「なっ!!皆で食べ放題楽しいじゃん!なっ、さっくん!」

『え、オレ?』

尚「さっくんが良いって言ったら皆良いから!」

『はぁ?良いって言う訳ねーじゃん』

尚「くそぅ…………あ、哲!無料で食べ放題だよー。美味しいよー」

哲「……ちょっと良いな」

尚「!!(もう一息…)ケーキとかもあるよー」

哲「…行く」

尚「やっりぃ!さあ、どうする?さっくん!」

『う………(コイツ…やるな)』

哲「朔月行こうぜっ!執事の格好するだけで無料だぜっ!?」

『ま、まあ、哲が良いなら…』

尚「うしし…さぁーて、皆はどぅーする??」

泪「ま、僕は最初から反対してないけどぉ。さっくん行くならモチ行くぅ」

慎「俺も行くよ」

翔「………はぁ。付き合う」

光「…まあ、行ってやっても良い。……が、執事の服なんて誰が用意すんだよ」

尚「あ…」

光「あ、じゃねえだろ。ったく」

哲「朔月ん家にあるよな?」

皆「!?」

『いや、まあ…あるだろうけど…』

光「お前…そんな趣味が…?」

『は?何いってんだよ?』

哲「じゃ、朔月が準備してくるって事で!」

尚「やった!じゃあ、さっくん服持ってきてね、明日!着替えて今週の日曜駅前10時集合!では解散っ!」

慎「尚輝がしきんないで。五月蝿い」

尚「ヒドイー〜〜」








――――――……


てのが、まあ合ったわけ。