気が付くと夕日が顔を出してもうすぐ終わりを告げていた。




「…もう、閉園だね」

『だなー。楽しかった!』

「良かった…あ、でも最後にアレ、乗っとこうよ」




そうして俺が最後に取っておいたのは大きく丸い観覧車。

ロマンティックでしょ。





『うわあ…景色良いな』

「うん」




君の方が綺麗だよ、何て口が裂けても言えない。

日本男子だからね、俺は。





「…今日はありがとね。付き合ってくれて」

『何で慎二がお礼言ってんだよ(笑)オレこそ連れてきてくれてありがとう』

「フフ…あ、でもどうして了解してくれたの?朔月君なら断りそうなのに」

『んー、久しぶりに遊園地も良いなって思ったのが半分』

「もう半分は?」

『慎二と仲良くやるのも良いなって思った』




そう言ってニヤリと笑う朔月君は小悪魔だ。

俺はもう、君に落ちるとこまで落ちてしまった。



こんなにも、人の言葉に左右されるなんて…恋って恐ろしいね。




『…慎二?顔、赤いぞ?』

「ゆ、夕日のせいだよ…ホラ、調度、真上だ」

『本当だ、』





二人で景色を見る。

二人だけの空間。


ああ、こんな時がずっと続けば良いのに…今のこの時間は宝物。

ずっと、ずっと酔しれていたい。






横目で朔月君の顔をちらみ。
本当、綺麗だよな。

強く、逞しく美しい女性だ。








「……好きだよ」

『え??何か言った?』

「ううん、言ってない」






観覧車が地面につく頃、俺の小さい小さい告白は夕日へと消えていった。