「あ、あれ?」

『慎二絶叫系苦手?』

「い、いや…大丈夫だよ」



本当はあんまり得意じゃないけど…目をキラキラさせてる朔月君を断るなんて俺には出来ない訳で。




「………っ、……」




高い塔でまっ逆さまに落ちたのでした。





『アハハハハハハハ!』

「…………、………っ!」



うわ、胃が浮く。
何で朔月君は爆笑しいるんだ…。


『アハハ〜…あー、面白かった!』

「……面白かった、なら、良かっ、たょ……」

『しっ慎二フラフラだけど大丈夫か!?』

「大丈夫……」



サスサスと背中を撫でてくれる朔月君。あ、乗って良かったって今思えたよ。



『ごめんな?絶叫系苦手なのな。あ、あれは?』




朔月君が指差したのは今度はお化け屋敷。



「うん…あーゆうのは大丈夫かな」

『うっし、じゃ、あれな?身体大丈夫?』

「うん。朔月君のお陰で大丈夫になったよ」




ニコッと笑うと同じように笑う彼女が愛しい。
……て、俺、顔赤くなっちゃったかな?



……ま、楽しそうにお化け屋敷目掛けて歩く朔月君にバレる事はないんだけど。


あ、そうだ。
朔月君ってお化けとか怖くないのかな?

怖くて俺に抱き着く……とかはないか。怖かったらあんなにキラキラして行かないよね。

朔月君の苦手な物っていったい…?




『慎二ー!早くー!』

「う、うん!」



ちょっと目を離したら、もう入口にいて手を振る朔月君を追いかけるように、小走りで駆け寄った。