そして、約束していた土曜日がきた。

前日に楽しみすぎてあんまり寝れなかった…なんて恥ずかしいから言えないけどね。

服に迷って家を出たのは良いけど…集合時間の1時間前は早すぎた。


近くのベンチで時間を潰し、10分前に朔月君はきた。




『待たせた?ごめん』

「ううん、今きたとこだよ」


格好つけたくてちょっと嘘ついちゃった。

私服の朔月君はジーパンにパーカーとシンプルな格好で、イケメン男子にも見えるけど、俺にとってはとっても可愛い女の子なんだ。




「さ、行こ?」

『うん』




本当は手を繋ぎたいけど…初な朔月君のために遠慮しとくね。


………いつかは、堂々と繋げると良いな。










『わー…遊園地とか久しぶり』

「そうなんだ?俺達はたまに来てるんだよ。暴走族は遊ぶの大好きなんだ」

『アハハ、確かに遊び回ってそう。俺は、中2ん時に哲と行ったっきり』

「…………ふうん」





デート、かな?


……哲君に嫉妬するなんて、…自分の醜さにヘドが出る。

明らかに素っ気ない態度取っちゃった…。



今は俺とデートなんだから嬉しい筈なのに。

俺だけの事を考えて欲しい、とかどんどん欲が出る。





『最初は何乗る?』

「朔月君が乗りたいので良いよ?何乗りたい?」




デート、思いっきり楽しまなきゃ!




『んー、じゃあ、あれ』



朔月君が指差したのは、高い塔みたいなのにイスがついてて、上下するやつ。