哲「あ、ありが……」

『…っ!?』




哲が伸ばした手を掴もうとしたらデカイ何かがオレにもう突進してきた。



『いてーな!光樹!!』

光「…な、何だこれ。う、あ」




尻餅をついたオレと光樹。それをビックリ、と見つめる哲も転けそうだ。

ツルツルと足を滑らせ、なかなか起き上がれないような光樹は抱き着く感じでオレの上に居る。





『ちょっ、早くどけ!』

光「た、立てねえんだよ!分かれっ!」

『わかんねーよ!光樹が退かないとオレも立てねえ!尻冷たい!』

光「おい!押すな!よけい滑るだろ!?………………おわっ!!」





ギャーギャー騒いでいたら、光樹がフッとオレの上から消えた。




翔「……大丈夫か?」



手を差し出してくれた翔の向こう側には投げ飛ばされ腹で滑っていく光樹が。

下僕が巻き込まれ転けているのが見える。




『光樹退けてくれてありがと。凄い力だな』



翔の手を取り立ち上がる。尻がしっとりと濡れてしまった(怒)




翔「……ムカついた、から。つい、投げた」

『フハッ。ありがとありがと。助かった。よっし、さぁ滑ろ……って哲は??』

翔「哲なら……」




指差した方を見る。

…………なんじゃありゃ。


尚輝と手を繋ぎ、クルクルと回る涙を流す哲が。

涙流しながら死んでる……。




『た、助けた方が良い…のかな?』

翔「………」





痛すぎる…。

回りの下僕達も近寄らないよう尚輝達の回りはまわるく誰もいない。