まあ、理由ってもんじゃないが学校に来るのには憂さ晴らしのためってのがあった。
喧嘩は強い方だ。
町を歩きそれなりの奴の喧嘩を買い、返り討ちにする。
それが俺の憂さ晴らしだ。
だが最近詰まらん族が町を取り締まるようになりそれなりの奴が消えた。
喧嘩を売るのは面倒っつーか、なんかダセーから…
と、まあ。
学校にそれなりの奴を捜そうって訳。
ダサいのが大嫌いの俺には族は激ダサに思えた。
それ故に族と喧嘩する事はなかった、が。
今日、俺の携帯に一つのメールがきた。
『これ以上風紀を乱すのならば我ら魔燐が許さない』
……と。
マリンってのがさっき言った詰まんねー族の事。
総長とやらがこの学校にいるらしい。
「あ、いた遠野。お前何か教室に先輩来てたぞ」
携帯のメールを確認してから消去した時、見たことのあるようなないような顔の奴が俺の憩いの場に進入してきた。