…………。
な、なんだコレ!!!??
〜朔月 side〜
朝起きて。
いつものように洗面所に立ち。
いつものようにクシを頭に当てると、何かに引っ掛かった。
不思議に思い目の前の鏡を見ると――…
『み、耳…?』
動物の耳がオレの頭に付いていた。
『って、はあ!?あり得ねぇだろ!!』
バッチリ覚醒したオレは頭に付いている二つのモフモフを引っ張ってみる。
『いたっ……い?』
自分の耳を引っ張った時の痛み。
あり得ない。
そう言えば尻も落ち着かない……。
『………あぁ〜』
オレの尻には耳と同じ毛色の細長い尻尾が生えていた。
しかも自分で動かせるし、感覚があるときた。
軽くパニックになっていたオレは、尻尾を見て諦めた。
もう、駄目だ。
「朔月さん、お時間ですよ」
執事のノックの音にオレは慌てて両手で耳を隠した。
ガチャリ、開いた扉から覗いた執事はいつものように、いつものムカつく顔で立っていた。
「朔月?どうした?」
ずっと睨み付けるオレが不思議みたいだかな。
オレはそれより不思議体験中なんだよ、ボケ。
『うるさい。今日は学校ないんだから良いだろ』
「いや…良いけど、お前今日哲達と約束してんだろ?」
うわ、忘れてた。