買い物が終了したので、ショッピングモールを出る。

人混みで少し疲れた肩をほぐしながら歩いた。




「あのぉ、」

「もしよければぁ、私達とお茶しませんかぁ?」


暫く歩いて後ろからついてきた女子数人がついに話しかけてきた。

はあ、と溜め息をつきながら翔を見ると見向きもせずに明後日を見てた。



『…悪いけど、止めとく』

「えぇ〜何でですかぁ?」

「ちょっとだけ良いじゃないですか〜」



良くないから断ってんだけど。

一人の女子が翔の腕を掴もうとした。



「っ…!?」


掴まれた翔は固まった。

眉間に深い皺を刻み、心なしか青い顔。


…助けてやるか。


『ちょっと離して』



オレが女子の手を優しく触るとパッと離した。
顔を赤くして何か言ってたけど、無視して翔に目配せする。



『…行くぞっ!』



コクリと頷いた翔を確認してから、走り出した。

オレ達のスピードに敵うわけない女子達は簡単にまけた。





……ただ、がむしゃらに走ったせいで


見知らぬ裏路に来てしまった。