「…誕生日…あんだけど。俺には滋に何をしてやったら良いのか分からない…」


今まで大した事をしてやれなかったから、今年くらいはしてやりたくて。
そう続けた翔は話し終ると顔を歪めた。


『…どうした?さっきからたまにそんな顔するけど』

「…、また、お前を頼って良いものかと…思ってな」


悲しそうに笑う翔。
オレはんな風に笑って欲しくない。

それに、

『頼ってもらうって思いの外嬉しいもんだよ…つーことで、気にすんなよ!滋君の誕生日、オレも一緒に考える!』

「……ありがと、う」


オレの見たかった笑顔を見せてくれた翔と日程を合わせ、誕生日プレゼントを選ぶ日を決めた。



滋君の誕生日かあ…弟想いの兄のためにも、一肌脱ぎますか!





―――――――……




そんな感じで休日。

オレは翔とショッピングモールに来ていた。


何度か皆で来たことあるショッピングモールはやっぱり賑わっている。


『視線が…』

「…」



そして集める集める、視線の数々を。

熱〜い女の子の視線にうんざりしながらも、目は滋君のためのプレゼント探しに没頭。



『あ、滋君ってアクセサリーとか付ける?』

「いや…付けてない」

『まだ小学生だもんなぁ〜』


翔が付けているようなシルバーアクセサリーの店を通り考えたけど、断念。

今時の小学生は何が良いのだろう?