とある日常を過ごしていた、そんなとある日。

クラスが違うが毎日顔を合わせるイケメンに声をかけられた。

因みに、めったにない人の呼び掛けにオレは大袈裟に振り向いた。



〜朔月 side〜


振り向けば、少し思案するような目でオレを見つめるイケメ……

ああ、悪い。

イケメンじゃ分かりにくいか、…翔。



『…どうした?』

「……、来週、弟の…」



弟の…?

翔の弟、滋君は知っている。
お熱を出した時に会っているし、あのあとお礼がしたいから、と滋君がお茶でもてなしてくれたりもした。


今度はその滋君に一体何があったのだろう?


まさか、良いことではないのか…?
オレがなかなか言わない翔に眉を寄せ訝しげに見ると急いで口を開いた。



「あぁ…違う。滋は何ともない。…じゃなくて、」

『…?じゃなくて?』

「来週…誕生日、なんだ…」



何を考える必要があるのか分からない内容にオレはキョトンと翔を見たあと声をあげた。


『おぉ!おめでとう』

「…サンキュ」


フッ、と柔らかく笑った翔。
うんうんと微笑ましくなり、オレはそろそろ帰って良いか聞く。


「…い、いや…ちょっと待って…」

『ん?いや、用があるなら言ってよ』


慌てて止められ、オレはまた首を傾げる。

急かしてないけど、あるなら早く言ってよ。用。