「オカマじゃないっスか〜」
「じゃー学ランでいーよ。面倒くさいなぁ」
「面倒ってなんスか!話聞いてくれるの尚輝さんしかいないんスよ!?」
「……うん、それはどう返せば良いのかな?」
『…プッ』
「「!?」」
聞き覚えのある笑い声に振り向くと口を押さえて丸まる、さっくんが。
「さ、さささっくん!?」
『やあやあ。オカマの尚輝君にブスの林君』
「オカマじゃないよー」
「ブスじゃないよー」
「いや、お前はブスだわ」
「酷いっス!尚輝さん!」
『ブフッ!』
また手を口に当て丸まるさっくんを見て俺と林君は顔を見合せ首を傾げた。
『漫才見てるみてぇ』
「漫才って…」
「てか、さっくんどしたの?」
『ん?暇だから尚輝を弄ろうと思って』
「えー」
『ウソウソ。うわ、嬉しそうにすんな!』
頭を叩かれた俺は、隣で笑った林君の頭を叩いた。
どうやらさっくんは世界史が追試だった俺に、追試予定を報告しにきてくれたらしい。
追試嫌だ。
「あ、聞いて下さいよ、黒崎さん!俺、彼女欲し…」
『聞かない』
「うぁーん!ほーら、尚輝さん!聞いてくれない!!!!」
「うん、ドンマイ」
『ブッ!』