今は林君の相談であって俺の話じゃないからね。
不毛な話は好きじゃない。
「服装っスか…ジャージじゃ駄目っスよね、勿論」
「うん、駄目。論外。林君の場合はもうファッションで誤魔化すしかないから」
「酷いっスよ〜」
「うーん、出来るだけ隠したいから帽子は外せないかな」
「隠したいってなんスか〜」
「ちょっと待って慎ちゃん呼んでくる」
「えっ!ちょっ!止めて下さい!!」
立ち上がった途端、林君に腕を掴まれて阻止された。
「何だよー」
「いや、いやいや浅井さんはレベル高過ぎっス!!」
「はぁ?何のレベルさ?」
「お、男としての…レベル?」
「それ、俺に果てしなく失礼って気づいてる?」
「はい?」
ちぇー。皆慎ちゃん大好きかよー。
いーなー慎ちゃん。ちぇー。
「もういーや。ジャージでナンパ行けばー?」
「そんなぁ〜尚輝さんもカッコいいっスよ〜」
「林君に言われても嬉しくないもん」
「拗ねないで下さいよ〜」
「拗ねてないもん。林君のブス」
「拗ねてんじゃないっスかぁ〜」
「ブスブス」
「……尚輝さん、女子みたいっスね」
「俺に惚れても付き合わないからね」
「自分の事ブスって言う女子には惚れないっス」
「うっさいわね!ブス!」