「いっ、いいのっ!?」


「星祭りで子供達に配る為に沢山作ったんですけど、もう入りきらなくて・・」


「サンキュー、姫さん!早速、食べてもいい?」


って言っている間にもガサゴソと袋を開けていく俺。


クスクスと笑って「どうぞ」って言ってくれた時にはクッキーは俺の胃袋へ。

バターの香りが口の中いっぱいに広がって優しい味がした。


「姫さんの作ったお菓子ってほんとに美味いねぇ!」


「まだ、残っているので後でお持ちしますね」


「ほんとっ?俺、取りに行くよ?」


こんなに美味いクッキーが食えるなら今から取りに行きたいくらいだ。


「じゃあ、厨房の奥のテーブルに箱に入りきらなかったクッキーがありますから全部どうぞ」


「ぜ、全部っ!?ラッキー!!サンキュー、姫さんっ!!」


「あ、あと同じテーブルに・・・」


クッキーの事しか頭に無かった俺は、姫さんが何か言っていたのに全く耳に入っていなかった。



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