「・・・ま、こんなもんかな~」


 私は今日はパートがない。

 そんなわけで、さっきからベランダの掃除をしていたのだ。

 暑い暑いと文句を言いながら、箒でベランダを掃く。このあと水で洗ったら、洗濯物を干すつもり。

 今日みたいな太陽だったら夕方までにはちゃんと全部乾くだろう。

 その後は玄関横に置いてある棚に並べた、私の大切な鉢植達にも水をやらなきゃ。

 草花にも声をかけること。これは独身時代から続けている私の習慣だ。食用にも観賞用にも育てている鉢植達は合計で12個。

 トマトやハーブやサボテンやサルビアやアジサイやガーベラ。他にも色々植えて、個人的な趣味としている。

 また垂れてきた汗を拭った。

 ヤツは今晩は、早く帰ってくる予定。

 晩ご飯、何にしようかな。そんなことを考えて、つい微笑んでいる自分が可愛いと思う。

 ボロボロだった人生の一時期は確かに終わり、私は今、違ったステージにいるのだ。

 それをふとした時に感じては微笑んでしまうのだった。



 季節はもうすぐ夏本番に入るところだった。