ガバッと段ボールを元通りにしめて、私はヤツを振り返った。

「ななななななな、何でこんなものがここに!??」

 私に押しのけられて後ろにお尻をついた状態のままで、ヤツは淡々と言う。

「・・・俺が知るかよ」

「何で言ってくれないのよ~!」

「・・・言った」

「はっ!?」

「言ったぞ、ご飯の後の方がいいと思うって」

「ご飯の後でも嫌よおおおおおお~っ!!!」

 そこじゃねーだろうがよっ!!私は真っ赤になって叫ぶ。足を使って、ぐいぐいと段ボールをテーブルの下へ突っ込んだ。

 うわーうわーうわーっ!!びびび・・・・ビックリしたあああ~・・・。

 だってだって、大量の『大人のオモチャ』初めてみたよ!ちらりと見ただけでは一体どうやって使うものなのかも判らない、変な形をしてブツブツのたくさんついた、あーんなのや、こーんなの!ピンクとか黒とか金色とかの派手な小箱に入った小瓶!そんな異物の団体さんが、段ボール箱一杯に詰め込まれていた。

 これが仰天せずにいられるかあ!

「どっ・・・動悸がっ・・・」

 はあはあと胸を押さえて呼吸を整えていたら、後ろでダレ男がのんびーりと言った。

「・・・渡瀬、今それ作る会社にいるんだな」

「へ?!」