ええー・・・・何てこと。私が一人でバタバタしている間、ヤツは私が妊娠したのだろうと思って経過を観察していたのだとは!
・・・・恐るべし、漆原大地。
でも一応突っ込むことにした。
「いや、判ってたなら、君、もっと反応しなさいよ」
ヤツは、はあ、と重~いため息をつきやがった。そして、鞄を肩にかけて立ち上がる。
あら、大地君、お帰りですか??
椅子から立ち上がりながら、ヤツは口を開いた。
「だから、反応したんだ。・・・いちごあげたでしょ」
私は首を傾げる。さっきもそんなこと言ってたな・・・。
「だってあれは、私が食べる鉢植にしようかなって言ったからって―――――」
「いちごはビタミン豊富」
珍しく人の言葉を遮りながら、ヤツがパイプ椅子を片手で折り畳んで窓辺に置いた。
「妊婦には必要だろ。それに・・・」
流石にピンときた。今度は私が遮ってやる。
「もしかして、花言葉?」
いちごの花言葉?いちごって花言葉あるんだ!?でもこの男はサルビアの花言葉だって知っていたのだ。だから、もしかして――――――――――



