「明美、ごめんね」


「いいよ。あの人のこと思いだしちゃった?」


「…うん。なんかお酒のせいなのかな…
いい加減、忘れなきゃだめなのにね」


「無理しなくていいんだよ」




明美は私の過去に何があったか
知っている。



忘れたくても忘れられないあの人…


大人になった今でも私はあれ以来
恋ができずにいる。



臆病で伝えたいことは何にも言えなかった。


あの時の思いは今もまだ私の心の中に
とどまっている…