「ほら、もうすぐ翔太も引退じゃん?!
最後くらい 応援してやんないと」



そう言って 真帆は藤村君に手を振っている。





「莉子はさ、最近どうなの?」



「どうなのって何にもないよ。
毎日 ここから眺めているだけ」



「本当に今のままでいいの?
古賀君だって もうすぐ引退なんだよ。
そしたら ここから見ることもできなくなるんだよ」



「それはそうだけど…」



「莉子が変わらなきゃ、何も始まらないよ。
はい、これ」



そう言って真帆は 1枚の紙切れを
私に差し出した。