宗吾と私は一晩中事故処理に走り回った。

・・・

今は自分の気持ちを考える余裕など、

全くなかった。

・・・

すべてを終えたのは、翌日の午前10時。

・・・

事故は何とか処理され、

事なきを得た。

安堵の溜息をついた私は、

近くのベンチに腰かけた。


「前原、そこで休んでろ。

責任者と最後に話して、戻ってくるから」


「でも社長」


「もうすべて終えた。確認だけだからいい」


「・・・はい」

・・・

宗吾は責任者の元に向かった。

・・・

宗吾の後姿をぼんやり眺めていた。

流石は大企業の社長。

どんな時も凛としていて・・・

惚れ直してしまった・・・