「・・・?!!」

オレは何も言わずに、

彼女を抱きしめていた。

・・・

悲しんで泣いてる彼女に、

少しでも元気を出してもらいたくて。

彼女はただ驚いていた。

・・・

「貴女のお父さんの代わりにはなれないが、

私が貴女の傍にいてはダメだろうか?」


そっと体を離し、

そう告げた・・・

彼女は涙目で精いっぱいの微笑みを見せた。


「…ありがとうございます。

でも、名前も知らない貴方に

そんな事はさせられません・・・

私と貴方では住む世界が違う・・・

私はまだ幼い子供・・・

貴方は大人・・・

気持ちだけいただいていきます・・・

今まで相手をしてくれて、

嬉しかった…でもこれで最後です」


そう言った彼女は、

私から離れていく。


「君の事が好きなんだ」