「…残念ですが、

私は、その女性ではないようです。

違うとなったら、秘書でいる必要は、

もう、ありませんよね?」

・・・

そんなことを聞かされて、

その人ではないと分かったなら、

私は、貴方の傍にいる事は叶わない。

・・・

私を通して、

その想い人を想われたら、

私は辛くて・・・宗吾の前で、

笑顔は見せられそうにない・・・

・・・

「…秘書を辞めるなんて許さない。

前原は、私付きの秘書にしたんだ。

光輝や光司のように、他の業務をやる事は許さない」



「…でも」


「社長命令だ・・・」

「・・・」

・・・

私を抱きしめる腕に、

より一層、力を込めた宗吾。

一体どんな表情をしてるのか・・・

この体勢では、知る事も出来ない。