…確かに、不安が先ばしっちゃって、

宗吾の事を考えてる余裕がないかもしれない。

・・・

「社長は前原さんの事しか考えていませんよ?

だから前原さんも、社長の事だけを考えてれば、

すべてうまくいくはずです・・・」


「・・・そうでしょうか?」

私の問いかけに、

光司は頷いて見せた。

・・・

「何の相談をしてるんだ?

・・・亜紀が泣きそうじゃないか?

光輝や光司でも、亜紀を泣かせたら許さない」


社長室のドアが開くと同時に、

そんな声が聞こえた。

・・・

「人聞きの悪いこと言わないでください。

俺たちは、亜紀の相談にのってただけなんだから、

なあ光司兄さん」


「え・・あ、あぁ・・・」


光司や光輝の言葉を聞き、

「相談なんて、私にすればいい」

そう言った宗吾。

…言えるはずないじゃない。