「何でも、お見通しなんですね」

そう言ってフッと笑うと、

宗吾も少し笑った。

・・・

「亜紀、私の名を、呼んでくれ・・・

頼む・・・」


真剣な眼差しで、そう言った宗吾。

渋りに渋った私は、


「・・・宗吾・・さん」

真っ赤な顔で、小さな声で呟くのが精一杯だった。


「亜紀、君を心から愛してる。

頼りない男だが、今後はもう二度と、

君を離さぬよう、こうやって抱きしめてる・・・

全力で、君の事を守る・・・」


ギュッと抱きしめ、

私の耳に囁いた宗吾。

私も遠慮がちに、

宗吾の体に、腕を回した。

「…ウソを見抜けなくて、ごめんなさい。

どんな時も、愛する人を信じなきゃいけなかったのに」


私の言葉に、宗吾は首を振る。

「そんな事は気にしない。

私も、嘘だと見抜けなかった・・・

亜紀をたくさん苦しめてしまった分、

いやそれ以上に、君を大事にする」