宗吾の言葉に、目を見開いた。

・・・

そんなことを聞かされても、

すぐに信用できるはずはない。

私はあの契約書を見せられたのだから。

・・・

「亜紀が引っかかっているのは、

小野寺に見せられた契約書だろう?」

頭上からそんな言葉が聞こえ、

小さく頷く。

・・・

「あの契約書は、でっち上げだ」

「・・・え?!」

・・・やっと、

私はまともに宗吾の顔を見た。

・・・

宗吾は真剣な表情で、

私を見ている。


「今、会長が、私の父が、

その時に交わした契約書を見直し、

今日、会社に持ってきてくれるそうだ。

その時に、亜紀が渡された契約書と、

父が持ってくる契約書を、

小野寺に突きつけるつもりだ」


「…社長」