「光司さん」

まだ夢の中にいるのか、

私と光司を間違えてる様子。

黙ったまま、亜紀を抱きしめると、


「少しだけ眠らせてください」

そんな言葉が返ってきた。


「…おやすみ」

優しい口調で答えると、

亜紀は私の胸に顔を埋めて、

スヤスヤと、寝息を立て始めた。

・・・

眠りを邪魔するのはよくないと思い、

帰ろうと思ったが、

私が動くと、亜紀の手が、キュッと

服を掴むので、

その場から動けなかった。

・・・

亜紀に抱きしめられ、

居心地が良くて、いつの間にか、

私も眠ってしまった。