私が知ってる宗吾は、

今でも好き・・・

でも父にした非道な仕打ちは、

何があっても許されない・・・

だから・・・

・・・

「仕事、辞めます・・・

社長の傍にいる事も、

今の私には、苦痛なんです…

私にとって父は、おかしいかもしれないけど、

恋人以上に、大事な人でした。

私を愛し、大事に育ててくれた父は、

本当に私にとってなくてはならない存在でした。

もう、帰ってください・・」


「・・・亜紀」


「辞表は、光司さんに渡しておきます」

そう言った私は、

宗吾の顔を見ることなく、

扉を閉ざした。

・・・

まだ好きなのに、

許せない。

この複雑な気持ちを、

どこに持って行っていいか、

分からなかった。