「何があっても、断じて、

亜紀に嘘はつかない。

信じてくれるか？」


まっすぐに私を見つめ、

そして私の手を握りしめた。


…この人を信じよう。


１０年の時を経て、

ようやくたどり着いた想い人。

互いに惹かれあって今がある。

そんな人が、私にウソをつくことはありえない。


そう信じて。


「私、社長を信じます・・・

疑った事、謝らなきゃいけませんね？」



「・・・いいんだ。

私の今までの行いが悪かったのがいけないしな？

疑われても、仕方がない・・・

でも今は、こうやって、私を信じてくれてる。

それでいいんだ」


そう言った宗吾の表情は、

本当に優しい表情をしていた。

改めて、

自分の気持ちを再確認した瞬間だった。