宗吾が、独断で、新会社建設を請け負ったと言う事。

・・・

何度もこちらの意見を言っても、

聞き入れてはくれなかった。

亜紀の父は、何度も白鳥建設に足を運んだ。

・・・結局、

ただの一度も、受け入れられる事などなく。

重役にいた亜紀の父は、仕事と、

新会社建設の事で、過労で倒れ、

検査入院の最中、脳梗塞で亡くなってしまった。

・・・

だから亜紀の母は、宗吾を毛嫌いしてる。

死んだのは、宗吾のせいだと思って・・・

・・・

「…話しは以上です。

これを聞いても、亜紀さんは、白鳥社長と、

お付き合いを続けられますか?」


「・・・」

亜紀は何も言わなかった。

言わなかったと言うより、

何も言えなかったんだろう。

彼女の前の宗吾は、一体どんな男なのか、

それは分からないが・・・

宗吾は間違いなく、亜紀の父を追い込んだ、

冷酷な社長だと言う事が、これで分かってしまった。