ある時、人間のようで人間とは少し違う声が聞こえた。辿って行った先に見えたのは街の広場。中央には黄金でできた王子の銅像が建っている。どうやら願いを発していたのはその銅像らしい。

「僕にはあの人たちの悲しみが見える…。どうしてやるべきかも分かる。それなのに、ここから動けない。」
黄金でできた王子は見えない涙をそっと流した。

哀れな王子、君の願いを叶えてあげよう。

一羽のツバメが飛んできて王子の足元で羽を休め始めた。よし。これでいい。王子がツバメに話しかけようと口を開いたとき、また羽が一枚消えた