「別れよう」




とだけ一樹は言った。


まさか。

そんな言葉が出てくるとは思わなかった。




杏奈はただ、俯いているだけだった。



「わ・・・かれる?どうして!?
 アタシなんかした?」


「そうゆう・・・そうゆうのが嫌なんだよ・・・」


「いやよ!まだ、一樹のこと・・・好きだから!」


「気持ち悪いんだよ・・・ほんと・・・」


杏奈の目は涙でいっぱいだった。


「どうして・・・どうして・・・・」


「俺は嫌いだよ!おまえのこと!わかったか!?
 だから、早く別れてくれ・・・」



私はなにがなんだか分からなくて
ただただ、二人を見つめることしかできなかった。



「わかった・・・じゃあ、最後にしてほしいことがある」

「なんだよ?」