「・・・・死ぬの、怖くないの??」
「・・・・怖いよ。 ものすごく怖い。 でもね、病気になった時、ホっとしたんだよ。 生きる意味もなく生きてて、でも死ぬにはそれらしい理由がなくて・・・・。 自分で死ぬのも怖いしさ。 33年ってさ、傍から見れば短い人生なのかもしれないけどさ、これから何もないワタシには、充分すぎる時間だった」
由紀は、怖いくらいに穏やかだ。
由紀は、本当に死んでしまうのだろうか。
「・・・・・・それで、いいの??」
「うん」
由紀の返事に淀みはない。
「・・・・・親とか、兄弟には知らせろよ」
「知らせたら手術させられちゃう。 ワタシは残りの時間をワタシらしく生きて、ワタシらしく死にたいの」
笑顔さえ見せる由紀。
由紀の決心は固い。
由紀は、死んでしまうのだろう。



