「マジかよ、急いでるっていうのに!」

どうりで人が多いわけだ、みんな足止めをくらっていたのか。
その時、ポケットに入れていた携帯から着信音が鳴り響く。
汐見からだ。


「……もしもし?」


「曽野宮くん!やっと出てくれた!」


家を出てから無我夢中で走っていたから気付けなかったが、どうやら汐見は何回も電話をかけていてくれたらしい。


「悪い、気付かなかったよ。っていうか電車が止まっちゃってて学校にいけないんだよな、先生に俺は遅刻するって伝えといてくれない?」


「それより聞いて!大変なの!」


あの汐見が感情をあらわにしている。
いったい何があったのだろう……。