だけど、そう思っていてもいないはずの何かがすぐ後ろにいる気がして怖い。 目を開けたらすぐ目の前に何かがいるのではないか……そう考えるだけで脈が早まっていくのを感じる。 もし口の裂けた女が目の前にいたら……もし血だらけの女が後ろにいたら……俺はどうなるのだろう。 「う……うわあああああっ――!」 俺は声を張り上げ逃げるようにして風呂場を出る。 恐怖、これが恐怖なのか? 違うのなら……なんなんだ? そう自問自答を繰り返しながら。