「今日の事件は詐欺罪みたいなやつだ」

「詐欺罪……面倒っすね、そのぶん報酬は貰いますからね!」

こんな平穏の日々を打ち砕く事件。
それが44チャンネルだけとは勿論言い切れない。

善悪入り乱れるこの世の中、いつ何が起きるか分からない。
だから俺は、この二度と訪れない今日という日を精一杯に生きる。

「曽野宮、汐見。お前達の分も俺は生きるよ。その代わり、俺がそっちに行く時は暖かく出迎えてくれよな」

「真琴?何か言ったか?」

「いや……別に!さあ今日も張り切って行きましょうか!」


おじさんと警察署を出ると大きな入道雲と対面した。
曽野宮に貸していた小説を読みながらガムを噛む。
すると、すぐ後ろから走ってくる三人の子供の会話が耳につく。