俺は汐見から全ての真相を聞かされた。

まだ微かに生きていた少女を殺したのは汐見、そして優しかった勝俣を壊したのは汐見だと。


「私には謝らなきゃいけないことがたくさんあるの。あの時……曽野宮君を助けてあげられなかったこと。あの時……勝俣を壊してしまったこと。あの時……少女を殺してしまったこと。もう私は死ぬことでしか償えないの……」


「……分からない」


汐見の言いたいことは分かった。
だけど俺はそれを理解してやることはできない。


「お前が犯した罪は確かに人として最悪なことだ。だがな、お前は間違ってる!」


「何が……?」


「お前の話を聞いた辺りじゃ勝俣は確かに変わっちまったかもしれない。だけど44チャンネルで人を殺してきたのは勝俣だ!お前じゃないだろ?警察は俺が何とかしてごまかすから過去の自分を責めるのはやめろっ!未来を……大事にするんだ」


44チャンネルはあまりにも謎が深すぎる。
逆にそれを有効に使えば汐見を無実にできるはず。


「だから汐見!お前はもう何も謝らなくていいんだ!もうそんな過去なんて忘れろ!」


「真琴君、ありがとう」


汐見は小さな声でそう言った、自分のこめかみに拳銃を押し当てて。