勝俣はその憎たらしい笑みのまま、舌を出して俺を見下した。


「あ?冥土の土産に持っていきたいことがあるのか……?」


「ああ……さっきから気になっているんだ……」


勝俣は自分が置かれている状況に気付いていない。
俺に夢中で完全に汐見の存在を忘れている、これが勝俣の大誤算だ。


「さっきからあんたの後ろに立っている奴は誰だ?」


その瞬間、一発の銃声が倉庫内に響き渡った。


「うぎゃあああああっ!」


勝俣が右肩をおさえながら大きな悲鳴をあげる、撃ったのは汐見だった。


「No30貴様何をしやがるんだあああああ!」


「あんたが!あんたが曽野宮君を殺したんだ!」


俺は鼻で笑った後、勝俣に言葉を投げつけた。


「騙されたのはお前だったな勝俣!」


そして再び銃声が倉庫内を駆け巡る、汐見の放った弾は勝俣の左腕を貫いた。


悲鳴すらあげることの出来ない激痛に勝俣は地面へと倒れこむ。