そして、電車は速度を落とした後に月野駅へと到着した。 新宿まで続くこの路線の中でも比較的小さな駅、月野。 それでも利用者は意外に多い。 俺は下車した後、すぐに振り向いて汐見と杉森に軽く手を振った。 (……気をつけろよ、杉森) そう心の中で呟く――