「うあああああ!ああっ!」


俺は静かに窓を開けて、外の見張りに聞こえるようにして叫び声をあげる。

あまり大袈裟にやると母親が起きてしまう、それだけは避けなければならなかった。


「ざっとこんな感じか」


これで見張りの奴らに俺が44チャンネルを見たと思わせることができただろう。

そして俺は気付かれないようにして窓の隅から見張りの様子を覗く。


すると見張りの一人が早速電話をしているのを確認できた。


「勝俣とでも連絡をとってんだろうな。残念ながら俺は生きてるけどね」


そして次にしなきゃいけないことは下にいる見張り二人を自力で締め上げることだった。

奴らを締め上げ、勝俣の居場所を聞き出す。
そしてそこで全てを終わらせる、これが俺の計画だ。


「さて……隣の家の犬でも起こすか。犬には悪いけどね」


部屋には窓が二つある。
一つは見張りから見える場所にあり、もう一つの窓は隣の家が俺の家と隣接しているおかげで完全な死角にある、見張りがそこに気付くことはまずないだろう。

俺はその窓から体を乗り出して静かに塀へと音を立てないように飛び移った。