そろそろだろう。
体内時計が三時44分を指している気がする。


「No30。時間は?」

「深夜3時44分まで……あと10秒です」


「了解」


俺は椅子に深く座り込み、キーボードの実行キーに人差し指をそっと置く。


「No30、この瞬間がたまらないんだよ俺は。このボタン一つで人間一人を殺すことができるんだぞ……?楽しいよなぁ!?楽しすぎるよなぁぁ!?そして目を奪った金で豪遊、あぁたまらねえなぁぁ……ぎゃはははっ!さあ死ねええええ!」


実行キーを押すと同時に画面内を大量の英数字が下から上へと駆けていく。


「あのガキが明日どこで死んでくれるか楽しみだなぁぁ!ヒャハ……ヒャハハハハ!」


あまりの興奮にいてもたってもいられず椅子の上で暴れる……バタバタと。


「おいNo30!ボケてねえでNo18に連絡しろ!」


「は……はい」


俺はNo30にNo18への連絡を要請した。
このNo30もいずれは殺す、こいつは俺の過去を知っているだけあって長くは生かせたくない。


「はい、こちらNo18」


「こちらNo30。えっと……」


「なにしてんだNo30!どけえええ!」


俺はNo30を突き飛ばし乱暴に携帯を取り上げる。


「No18!そのまま電話をガキの部屋へ向けてろ!俺に悲鳴を聞かせてくれよ!?」


「りょ……了解」


そして数分後、俺の聞きたかった悲鳴が聞こえてきた。