自分自身がこの世からいなくなる。
それが現実となって目の前に襲い掛かればそれほど怖いものはない。

だけど曽野宮君には死んでほしくなかった。
自分よりも大切な人を助けられるのなら私の命がなくなっても構わない。



「……さよなら曽野宮君。私のこと、忘れないでね」


その後私は勝俣と合流し、数年前に閉園した戸田原遊園地へと連れられてきていた。
ここは戸田原市の外れに位置する場所で十キロは離れている。


到着した時、既に時刻は深夜二時をまわっていた。
光も何もない遊園地は不気味だった、今にもメリーゴーランドが勝手に廻りだしそうで。