最初は虫から始まった。

捕まえて、持っていたライターでそのまま焼き殺した。


次は野良猫。
両手足を紐で強く縛って川に落として溺死させた。


次は野良犬。
持っていたハンマーで何度も頭を叩いて中身をぶちまけた。


でも喋らない生物じゃ私の苦しみを分かってくれない。


悲鳴を聞きたかった。


私が父親にやられている時のあの絶望に満ちた悲鳴を聞きたかった。


無口な生物なんて殺してもつまらない。


そう思っていた矢先に私は少女が轢かれていく現場に出くわした。