しかし何故勝俣は汐見を死んだことに見立てる必要があったのだろうか。
俺には理解できなかった、曽野宮を狙っていたのならそんなことをする必要は全くないはずなのに。

(……汐見の反応、そして勝俣の反応。異なったのは曽野宮の生死に関すること……そうか!)

汐見の登場に混乱して気付けなかったが、勝俣は致命的なミスを冒していた。
それは完全に勝俣の発言ミスである。

(形勢逆転……地獄を見ろ勝俣!)

俺はテーブルに肩肘をつき手を顎に添える。
そして勝俣にわざと見えるようにして口角をあげた。