無言で車から降りた俺はまず背伸びをした。
そして次に首を鳴らす。

「真琴君、中に入ろうか」

勝俣が先に店内へと向かっていく。

「はい」

その後ろ姿を睨みながら明るく返事をした。


店内に入り、勝俣と俺は店員の案内で窓側の禁煙席へと座る。
勝俣はテーブルからメニューをとると俺に話しかけてきた。

「真琴君もコーヒーでいいかい?」

「えぇ……砂糖とミルクは無しで」

「おっ、気が合うな。私も無糖派なんだよ」

「甘ったるくていけませんよね」

そんなくだらない話をしながら勝俣はテーブルに置いてあるボタンを押した。
しばらくして店員が駆けつけ、勝俣はコーヒーを二つ注文する。