車から男が一人降りてくる。
まるで俺が家から出てくるのを待っていたかのように。

「君、五月雨真琴君かな?」

(俺の名前を知っている?……こいつ)

明らかにおかしい。
俺が何故家にいることを知っているんだろうか。

(この時間なら普段学校にいる時間なのにな……)

相手を下から睨むようにして見る。

「曽野宮君の友達だよね?聞きたいことがあるんだけどいいかな?」