月野駅へと到着した電車から降りた俺は汐見に向かって手を振った。 汐見もそれに合わせるように手を振り返す、表情は曇っていた。 駅を降りてから自宅までの帰路も何だか妙な気分だ。 人は死んだらどこへいくのだろう。 本当に天国や地獄は存在するのか。 (……変わったな) 自分がそんなことを考えるようになったのが不思議でもあった。